2022.12.11/Sunday

vol.004

TOYOTA GAZOO Racing
Yaris Cup 2022 Grand Final
チャンピオンインタビュー

TOYOTA GAZOO Racing
Yaris Cup 2022 Grand Final
チャンピオンインタビュー

1年間の激戦を戦い抜き、シリーズチャンピオンが決まった中で開催されたTOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2022 Grand Final。2022年のYaris Cupドライバーの実質日本一を決める特別戦でチャンピオンに輝いたドライバー神谷裕幸の喜びの声をお届けします。

優勝した感想は?

これまで、86/BRZレース、Vitz Raceのタイトルを獲得してきましたので、Yaris Cupも狙っていました。3つのタイトルを獲得した人はいませんでしたので、大きなモチベーションになっていました。シーズンが始まる前から、今年はチャンピオンになると決意していましたので優勝できてほっとしています。年間7戦の中でエンジン系やミッション系のマシントラブルに見舞われることもありました。私はエンジニアということもあり、ブレーキの開発や整備にも力を入れながら一つずつレースを戦うごとに勝てる車に仕上げていきました。チームミッドレスはもちろん、スポンサーやサプライヤーさんの協力のもと、一年の集大成が日本一という結果につながったと思います。

計算通りのレース展開?

ある程度のシミュレーションはしていました。スタートからしばらくして一度トップに出て周囲の様子を伺ったところ、相手の車の方がストレートスピードに伸びがあると感じました。そこで、相手にタイヤを使わせようと考え、抜く気はありませんでしたが時折そういった素振りを見せて駆け引きをしていました。中盤に差し掛かる頃には最終ラップの勝負になると思っていましたので、冷静に仕掛けることができました。

勝つために必要なことは?

ワンメイクレースは車に大きな差がないため、基本はドライバーの腕で勝負するレースですが、突き詰めていくと車の維持管理が難しいです。普段使いでは気づかないような少しのパワーダウンでも勝敗に直結するシビアな世界なので、調子が悪くなる前にその兆候を見つけ出しメンテナンスをして調子を維持してきました。シリーズチャンピオンを獲るにはポイントランキングで常に高いポイントを取り続ける必要があるので、レースに参戦しながらヤリスに対する理解を深めていきました。

乗り始めて2年目となるYARISの特徴は?

レースに使用しているヤリスカップカーはナンバー付きのレースカーのため、普通のヤリスと同じようにABS(急ブレーキをかけた時のタイヤロックを防ぐ装置)やVSC(横滑り防止装置)などの安全に走行するための装備がついています。ただ、スポーツ走行では、それらの制御がドライバーの意思に反して介入してくることがあるため、車両制御を深く理解したうえで、車やタイヤに合わせて運転してあげることが必要でした。サーキット走行時やその前後で取ったデータの解析を地道に続けて、今ではかなり解析が進んできました。

モータースポーツの魅力は?

チームミッドレスは大所帯ですがとても良い雰囲気です。さらに、サーキットに行けば全国の仲間に会うことができます。職業も年齢も幅広いので、普通に生活しているだけでは知り合えないような人と仲良くなり、切磋琢磨できるのが楽しいですね。時にはライバルからアドバイスをもらうこともあるので、とても良い関係性が築けています。信頼関係があるからこそ、180km/hに到達するレース中にもミラー同士が当たるような接近戦ができています。レース前の会話から心理戦が始まっているのも面白いところです。また、上位でなくても20番代、30番代など、大体どのレースも同じようなメンバーが周りにいますので、顔を合わせるごとに関係性が深まります。今回のレースでは誰が順位を上げるか、そういったところも皆さん楽しみながら参戦されていると思います。

来年の意気込みは?

参戦するならば2年連続のシリーズチャンピオン、日本一を目指したいと思います。

Profile

神谷裕幸 チームミッドレスドライバー
ネッツトヨタ中部株式会社入社後、2004年から本格的なレース活動をスタート。GR Garage midress豊田でエンジニアとして勤務している。