神谷裕幸は3位表彰台もシリーズチャンピオンならず
CVTクラスは堀内秀也選手が3連勝で王座を獲得!
鈴鹿サーキット
5.807km×8周
予選 9月28日(土)天候:くもり 路面:ドライ
決勝 9月29日(日)天候:くもり 路面:ドライ
神谷はランキング2位ながら、その差はわずか4ポイント!
4シーズン目を迎えたYaris Cupは、今年から従来の東日本シリーズと西日本シリーズから、北海道、東北、関東、関西、九州の5シリーズに細分化し、各3戦で開催されることになった。Team midressは岡山国際サーキットと鈴鹿サーキットを舞台とする関西シリーズ、そして富士スピードウェイとモビリティリゾートもてぎを舞台とする関東シリーズに参戦。さらに特別戦「グランドファイナル」を加えた7戦の出場を予定している。
関西シリーズは岡山での2戦を経て、今回が最終戦となる。#38神谷裕幸は、開幕戦こそ優勝したものの、第2戦が3位だったことで目下のランキングは2位。しかし、その差は4ポイントとあって、勝った上でポールポジションを獲得するか、ファステストラップを記録すれば、ポイントリーダーが2位でも逆転は可能である。
一方、#111千葉翔太選手はランキング6位。トップ2が突出しているが、このあたりはポイントが僅差。得点できれば、まだまだ上がれる可能性もあるだろう。そして、#138内藤章太は今年まだ入賞を果たせていない。第3戦で、ぜひ意地を見せてほしいところだ。
CVTクラスでは#120堀内秀也選手が、ここまで2連勝でタイトルに王手。今回3位に入れば、逃げ切り可能だ。阻止できるドライバーは、同じTeam midress 所属で2戦連続2位の#85目出し帽選手と、もうひとり。事実上、チームメイト同士の一騎討ちというのは、やや複雑な心境でもある。
神谷はポールを奪えず。堀内選手はあわや予選落ちの可能性から脱する
関西シリーズ第3戦の舞台は鈴鹿サーキットとあって、今年最多となる77台ものエントリーを集めた。予選は2組に分けて行われるが、今回はコンソレーションが設けられていないため、用意された48グリッドに対し実に29台が予選で走行終了となってしまう。それだけに、普段以上にミスの許されない予選となった。
走行開始からドライコンディションが保たれたことで、セットアップやドライバーのコース習熟は順調に進んでいた。最終の仕上げとなった、金曜日午後の専有走行では、#38神谷が2分45秒689でB組のトップ。ただし、ポイントリーダーはA組の2番手で、#38神谷のタイムを上回っている。「うまくスリップが使えれば、見えないタイムではないし、誰のスリップを使えば……というのも見つけたので。(併催の)スーパー耐久のラバーが気になりますが、うまく合わせられるよう、これからデータを見直します。どうあれ、最後まで盛り上がるようなレースにしたいですね」と、#38神谷はいたって前向きだ。
なお、この専有走行で#111千葉選手が2分46秒211でA組の3番手、#138内藤も2分46秒634でB組の4番手につけていた。このふたりの援護にも期待したいところだ。そしてCVTクラスでは#120堀内選手が、ひとり2分50秒台に乗せ、トップで専有走行を終えていた。
そして迎えた土曜日の予選。まずはA組から。ここでは#111千葉選手が2分45秒513で4番手。トップはポイントリーダーで、2分44秒696をマークしている。B組に臨む#38神谷は、なんとしてもこれを上回らなくてはならない。だが、終了間際に1コーナーからS字にかけてオイルが撒かれてしまい、処理はされていたのだが……。
#138内藤、一台を挟んで#38神谷の順で、ややタイミングを遅らせてコースイン。スリップストリームを使えたことで、#38神谷は2分45秒129を記録してトップに立つが、これではポールポジションが奪えない。しかも、計測ラインを通過した直後に赤旗が。連続周回ができたなら……という#38神谷以上の不運に見舞われていたのが、#120堀内選手だった。最後にピットを離れ、しっかりクリアラップは取れて2分49秒548を記していたが、計測ラインを通過したのは赤旗提示後でタイムは無効になり、せっかくの好タイムが幻になっていた。
しばしの中断の後、残り11分の計測となるはずだったが、なぜか延長されたのは実際の計測時間の1分のみ。かろうじて計測が1周許され、#38神谷は2分44秒949にまで短縮なるも、A組トップには届かず。ポールポジションを逸したばかりか、ポイントリーダーに1ポイント奪われてしまう。
#138内藤は赤旗前の2分47秒093がベストで10番手。決勝には20番手で臨むことに。一方、あわや予選落ちの可能性もあった#120堀内選手は、1分49秒685でCVTクラスでは圧倒的トップながら、A組の方がアウトサイドのグリッドになるため、クラス2番手となった。
#38神谷裕幸のコメント
「赤旗がね……。でも、あれでいいポジションには入れたんですけど、A組で1〜2コーナーにかけてオイルを撒かれた影響で、1コーナーで滑ってしまいました。赤旗後もそれを考慮したラインに切り替えて行ったんですが、ちょっと落としてしまって…。でも、自分なりにベストで行って。ヘアピンで渋滞していて、スロー走行しているクルマを避けながら、それでもアタックし続けていたら、シケインでまた引っ掛かっちゃいました。まぁ、トップが見えないタイムじゃないので、悔しいですけど、仕方がないですね。これで勝ったとしても、ファステストラップを獲られたら逆転が難しくなるので、何か展開を考えたいと思います。明日、頑張ります。少しも諦めていませんよ!」
#138内藤章太のコメント
「スリップストリームの風除けで終わってしまいました。赤旗後のアタックで、シフトミスを1回しちゃったのと、130Rで交差して抑えざるを得ない状況になって、タイムは更新ならずという形でした。単独で、もうちょっとタイムを残せたら良かったのかな、という部分もありました。明日のレースで頑張っていけるようにしたいですね」
#111千葉翔太選手のコメント
「最初の方、アタックラップで前にクルマがいて、スリップストリームにはつけたんですけど、1コーナーでシフトミスしてしまいました。結局、単独ラップを繰り返していたんですが、その中でも自己ベストが出ました。自分なりにはいい感触だったんですけど、0.005秒差で3番手の選手に負けちゃったのは悔しいですね。明日の決勝は7番グリッドなので、ひとまず入賞を目指したいと思います」
#120堀内秀也選手のコメント
「赤旗が出た、ほんの数秒後にコントロールラインを越えたんですね。再開するのを我慢して待って、なんとか1周だけアタックできました。焦りましたね〜。決勝は安全に楽しくレースして、結果は後から着いてくるものだと思っています」
終盤にスプーンを濡らした雨は、神谷には恵みの雨にはならず
今回は久々の2デイイベントということもあり、日曜日の早朝にスタート進行開始となった。スタートを決めて、なんとかトップに立ちたい#38神谷だったが、ポールシッターのダッシュも鋭く、しかもイン側にラインを変えられて完全に封じ込められてしまう。
1周目のバックストレート、130Rにかけて、早くも牽制をかける#38神谷だったが、相手も動じてくれず。2周目に入ると、トップグループは4台で形成されるようになり、後ろからもプレッシャーをかけられ、少しも気が抜けない。そして、3周目の2コーナーでインを突いてトップの横に並ぶも、抜き切るまでには至らず。
その後も激しい攻防が続き、特にシケインでは4台が連結しているのでは、と思えるほど。そのシケインで5周目に勝負をかけ、インから横に並んだものの前には出られず、逆に立ち上がりの加速が鈍ったことで、ストレートで後続車両に並ばれ、1コーナーで#38神谷は3番手に後退。その上、スプーンで突然雨が降ってきたからたまらない。ペースの落ちた2番手に、行く手を阻まれる間にトップは、さらに逃げていく。
最後まで諦めず前を追った#38神谷だったが、再逆転は許されず。3位でのチェッカーに留まり、関西シリーズのチャンピオン獲得はならなかった。
一方、#111千葉選手はポジションキープからのレース開始に。5番手を争う集団の中で逆転の機会を待ち続け、4周目のヘアピンで1台をかわすも、次周のストレートでスリップストリームを使われ、1コーナーで再び7番手にドロップ。そのまま7位でチェッカーを受けた結果、シリーズランキングでも7位となった。
#138内藤はオープニングラップでひとつ順位を落とすも、3周目には20番手に戻した後、スプーンで降り出した雨を味方につけた。上位にはなかった混乱が、このあたりではあって、うまくかいくぐる格好で7周目には17番手、最終ラップには15番手に浮上。ゴール直前には前との差をコンマ4秒としたものの、それまで。5ポジションアップできただけに、もし予選でもっと上位につけていたら、ポイント獲得も果たせたかもしれない。
そして#120堀内選手はスタートで1台に抜かれ3番手に後退するも、オープニングラップのうちにトップに戻り、その後はMT車両をパスする勢いさえ見せていた。最終的には総合40位まで上がり、クラス2位の#85目出し帽選手に11秒差でフィニッシュ。CVTクラスのチャンピオンを見事3連勝で獲得した。
なお、Team midressとして挑む、次回のレースは関東シリーズの第2戦。富士スピードウェイで、11月2日に開催される。
神谷裕幸のコメント
「まぁ、攻めた結果なので、悔いはないです。(シケインで)ずっとアウトから、行かずに並びかけずに行っていたので、一回並んで見せておいてと思ったんですが、ちょっとブレーキのタイミングが合わなくて、グッと止まっちゃうから、それに合わせて行かないといけなくて、思ったより失速せざるを得なかった。ちょっと、それが……。あれでチャンスは失っちゃったかなと。抜いていったドライバーがやってくれるかな、と思ったんですけどね(苦笑)。仕方がないです。あとは特別戦、頑張ります」
内藤章太のコメント
「雨に助けられた感はすごくありましたね。まわりのペースがちょっと遅くて、抜くに抜けなかったので。オープニングラップでポジションを落とした分、シフトミスしたクルマを避けて順位を戻した後も、ガンガン行っていたんですが、スプーンで雨が降り出して棚ボタで! そう考えると予選はちょっと状況が悪かったですね。ただ、上手い人たちは、それでもタイムを出しているので、ボクの組み立てがダメでしたね、という感じでした。身近にいる神谷さんや、仲良くしてくれている速いドライバーから学んで、今後の自分の糧にしていきたいと思います」
千葉翔太選手のコメント
「なかなか厳しいレースでした。前のクルマがヘアピンで遅い分、そこで合わせてしまったら後ろから追突されたりで、自分としては荒れたレースでしたので今後見直していきたいと思います。途中1台抜くことができたんですが、その直後にスリップストリームを使われ、ホームストレートで抜かれてしまいました。そこはちょっと自分のレース戦略のなさは見えちゃったので、次回は! 悔しい締めくくりではありました。また練習して挑みたいと思います」
堀内秀也選手のコメント
「素直に嬉しいです(笑)。スタートで1台抜かれて、3番手まで落ちたんですけど、MTとの混走の中で、いいポジションでスルスルっと抜けたので、あとはMT勢に引っ張ってもらって、自分のペースで走ることができました。チャンピオンはチャンピオンなんで、1年間の自分へのご褒美として、称号を持って帰りたいと思います。CVTの習熟度は60%ぐらいまで上がってきました! まだまだチャレンジします」
Team midress fighters
#38神谷裕幸選手「N中部GRGミッドレス スノコ制動屋Yaris」予選:2位 決勝:3位
#138内藤章太選手「N中部GRGミッドレスYaris」予選:20位 決勝:15位
#111千葉翔太選手「NUTEC制動屋GRGミッドレスYaris」予選:7位 決勝:7位
#831橋本優選手「CocoonミッドレスGDF-Yaris」予選:13位 決勝:16位
#55飯田誠選手「midress★Weds HR Yaris」予選:31位 決勝:32位
#120堀内秀也選手「N中部GRGミッドレスYaris CVT」予選:44位CVT2位 決勝:40位(CVT優勝)
#85目出し帽選手「運気上昇ドヤランドμmr Yaris CVT」予選:45位CVT3位 決勝: 42位(CVT2位)
#16 鈴木聡選手「ミッドレスunSeaアニスポYaris」予選:A組29位
#52水野泰平選手「ミッドレス無事故無違反Yaris」予選:B組27位
#131川瀬武男選手「GRGミッドレス・(株)カワイ・Yaris」予選:B組31位
#191水野泰正選手「ネッツ中部ミッドレスCF14 Yaris」予選:A組25位
#991光井有紀選手「滋賀乃イナズマ制動屋ミッドレスYaris」予選:B組32位