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REPORT2023
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Rd5 鈴鹿サーキット
我慢のレースになった鈴鹿の第5戦
それでも#1神谷は2位でゴール、連覇へさらに一歩近づく
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2023西日本シリーズ第5戦
鈴鹿サーキット 5.807km×8周
予選 7月15日(土)天候:晴れ 路面:ドライ
決勝 7月16日(日)天候:晴れ 路面:ドライ
5戦目にして、神谷が早くも2連覇をかけて臨む
全7戦で争われるYaris Cup西日本シリーズは、開幕戦以来となる鈴鹿サーキットで第5戦を迎えた。この一戦にポイントリーダーである#1神谷裕幸は、早くも2連覇に王手をかけて臨む。前回のオートポリスでは4位に甘んじ、今季初めて表彰台を逃したものの、すでにランキング2位のドライバーにさえ41ポイントもの差をつけている。ポイントシステムが変更され、全戦有効とされたことで、もはや#1神谷にストップをかけられるのは5人の上位ドライバーだけ。
そういった精鋭ドライバーたちがこのレースで揃って低迷するとは考えづらいものの、#1神谷がポール・トゥ・ウィンを飾って、さらにファステストラップも奪えば、残り2戦を待たずして早々にチャンピオンが決まる可能性はある。
また、前回はTeam midressメンバーの#111千葉翔太選手が大躍進を遂げ、初めてのポールポジションを獲得。決勝では苦手という雨に足元をすくわれ、6位に順位を落としたものの、ランキングでは9位にまで浮上し、#138内藤章太を上回った。その#138内藤もポイント圏内を走りながら、接触によるコースアウトでノーポイントに終わったが、それでも目下11位。3人揃ってシングルランキングとなるためにも、今回が天下分け目の戦いになりそうだ。
B組ではトップだった神谷ながら……
今回のエントリーは75台で、富士スピードウェイの第2戦と同数となった。それでいて、決勝レースに用意されたグリッドは、より少ない48台であるだけに、予選から厳しい戦いとなるのは必至。その予選は、今回久々に2組に分けられたが、奇しくも#1神谷、#138内藤、#111千葉選手ともにB組での走行となった。
予選は、当初の予定より15分遅れの11時30分から開始され、計測は各組20分間。半分に分けられたとはいえ、それでも30台以上が一斉に走るのだから、クリアラップを取るのは至難の業である。敢えて#1神谷はすぐにコースインせず、やや間隔をおいて走行を開始するが、その背後には大渋滞が。#1神谷のスリップストリームを頂こう、あるいはラインを学ぼうというわけだが、ウォームアップを終えた段階で、着いてこられたのは、あらかじめ一緒に走ろうと示し合わせていた2台だけとなっていた。
勝負をかけた計測1周目に、#1神谷は2分46秒806を記録するも2番手に。その後、クールダウンを挟んでアタックをなおも続けるが、タイムアップならず。そこで着いてくる先の2台を、ラストアタックで先行させると……。しっかりスリップストリームが使えたことで2分46秒475にまで短縮! B組のトップに躍り出る。A組のトップが2分45秒台に入れていたため総合では予選2番手ながら、フロントローから決勝に臨むこととなった。
一方、#138内藤と#111千葉選手は連なって走り、お互いスリップストリームを使い合う作戦に討って出た。しかし、#111千葉選手は2分47秒463で8番手、#138内藤は2分48秒043で11番手に留まり、それぞれ総合では予選16番手、11番手となっていた。
#1神谷裕幸
「最初の1周でまとめられなかった自分が悪いんですが、その後の周もセクタータイムを見ていたら、スリップを使えれば、まだいけるなと思って。一緒に走っていたふたりの後ろにガッと下がって、恐る恐る着いていって最後に全力で行きました。なんとかB組のトップになれたのは良かったですが、A組のトップが速すぎるので着いていけるか分からないですが、明日も全力で行きます。ポイント差はだいぶあるので、そんなにガツガツ行かず、状況を見ながら。今回、勝って決めちゃいたいなとは僕も思っていたんですが、そんなにうまくいきません(笑)」
#138内藤章太
「千葉さんとは、もともとスリップをもらう話をしていたので、一緒に出て行きました。特に目立った失敗はしていないんですけど、ただコンディションの変化に対応しきれなかったようです。この後ロガーを見て、答え合わせしたいと思います。鈴鹿はこのへん(の順位)が多いので、接触せずに無事に、決勝で順位を上げていきたいと思います」
終盤の逆転にかけた神谷だったが、トップのガードは固く……
土曜日の予選もそうだったが、このレースウィークは全国的な猛暑に見舞われていた。日曜日の9時10分からスタート進行開始とあって、少しは過ごしやすくなるかと思いきや、まったくそうなってはくれなかった。そのため、8周のレースながら、ドライバーには普段よりも厳しく、そして長く感じられたに違いない。
スタートを決めた#1神谷だが、ポールシッターの牽制を受け、1コーナーまでに前に出ることはできず。もちろん離れず続いていくと、後ろはまたしても大渋滞。それでも、1周目を終えると先頭集団は7台に、2周目には5台に減っていた。#1神谷も一時はトップに1秒近く離されていたが、これは想定の範疇。ブレーキとタイヤを温存して終盤に勝負をかけたのだ。
中盤からはラップタイムで勝るようになり、徐々に差を詰めていった#1神谷だが、トップの選手もさすがにガードが固い。プレッシャーにも屈せず走り続けられては、鈴鹿では逆転は困難に等しい。最後はコンマ5秒の差を保ったまま、#1神谷は2位でゴールとなった。
それでも縮められたとはいえ、34ポイントものリードがある。9月10日に行われる岡山国際サーキットの第6戦で、今度こそ最終戦を待たずにチャンピオンが決まりそうだ。もちろん、#1神谷は勝って2連覇達成を力強く誓っていた。
一方、#138内藤はポジションキープからのレースとなり、前には着いていけるのだが、荒れ模様のバトルが繰り広げられていたため、その中に加わっていくのはリスキーすぎると判断。終盤は2分49秒台でコンスタントに周回を重ねたものの、ポジションはそのまま22位でフィニッシュ。
逆に#111千葉選手はスタートを決めて、13番手に上がると3台で激しいバトルを繰り広げた。時には1コーナーで3ワイドになったほど。この闘いを制して、11位でゴールするも、10位のドライバーにペナルティが課せられたため、ひとつ順位を上げて10位に。ランキングも8位に上昇。内藤も同様に順位を上げて21位となった。
#1 神谷裕幸選手のコメント
「けっこう頑張ったんですけどね。離されたらダメだなと思い、タイヤとブレーキの様子を見ながら走っていたんですが、想定したよりもドンとタイヤのグリップとブレーキ力が落ちたわけじゃなくて、ちょっと落ちるような感じだったので、最後までプッシュはしていました。それでもブレーキを潰してしまうと勝負権を無くしてしまうので、ブレーキだけ余力を残しながら、できるだけ着いていって、最後の2周はペース上げていったんです。でも、抜けなかったですね。次戦で、ぜひ優勝してチャンピオン決めたいです!」
#138 内藤章太選手のコメント
「予選の時も言ったんですけど、コンディションに対応できていなくて、あの位置からスタートというのが大きくて。ちょっと前の集団がガチャガチャやっていて、とてもじゃないですけど、仕掛けられる状況ではなかったです。本来であればレースなので、仕掛けたほうがいいとは思うんですが、最近接触が多くて、それでポジションを落とすこともあったので、ちょっと守りの走りになってしまいました。ただ、接触せず無事にレースを終えられたので、次からは久々の岡山なので、そこに向けてまた取り組んでいきたいと思います。岡山は意外と成績いいので、流れを取り戻したいと思います」
Team midress fighters
#1神谷裕幸選手「N中部GRGミッドレススノコ制動屋Yaris」予選:2位 決勝:2位
#138内藤章太選手「N中部GRGミッドレス スノコYaris」予選:22位 決勝:21位
#111 千葉翔太選手「NUTEC制動屋GRGミッドレスYaris」予選:16位 決勝:10位
#55 飯田誠選手「midress★WedsHRYaris」予選:40位 決勝:33位
#16鈴木聡選手「ミッドレスunSeaアニスポYaris」予選:37位 決勝:36位
#191水野泰昌選手「ネッツ中部ミッドレスCF14Yaris」予選:49位 決勝:コンソレーション2位
#131川瀬武男選手「GRGミッドレス・FLANZ・Yasis」予選:65位 決勝:コンソレーション16位
#52水野泰平選手「ミッドレス無事故無違反Yaris」予選:70位 決勝:コンソレーション18位
#85目出し帽選手「運気上昇ドヤランドμmrYaris CVT」予選:74位(CVT8位) 決勝: コンソレーション19位(CVT1位)
#312稲垣之浩選手「いなふぉと号GRGミッドレスYaris」予選:63位 決勝:コンソレーション21位
#205飛鳥秀明選手「GRGミッドレス制動屋Yaris」予選:53位 決勝:コンソレーションリタイア
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2023西日本シリーズRd.5 鈴鹿 RESULT
midress gallery
チームミッドレスの#191「ネッツ中部ミッドレスCF14Yaris」水野泰昌選手は、コンソレーションレースで2位を獲得しました。