ネッツトヨタ中部

Race Report

Yaris Cup

GOOD YEAR Dream Cup 富士スピードウェイ

神谷裕幸がポールポジションを獲得!
決勝はわずか5秒差で無念の2位表彰台

GOOD YEAR Dream Cup 2023
富士スピードウェイ
4.563km(6時間)
予選 12月16日(土)天候:曇り 路面:セミウエット
決勝 12月16日(土)天候:晴れのち雨 路面:セミウエット〜ドライ〜ウエット

 

Dream Cupに4年ぶりの参戦。もちろん目指すはウィナーへの返り咲き

シーズンの大トリを務めるレース「GOOD YEAR Dream Cup」が、2023年も富士スピードウェイを舞台に12月16日に開催された。Team midressにとっては2019年以来、4年ぶりの参戦だ。このイベントは簡単に言うと、ナンバーつき車両による6時間耐久レース。2011年から始まり、当初はVitz Dream Cupとして文字どおりVitzのワンメイクレースだったが、徐々に参加車両を増やし2023年はマツダ・ロードスターも加えることになった。
Team midressは初年度から出場し、栄えある初代ウィナーでもあり、2013年からは4連勝を飾っている。ウィナー返り咲きを果たすべく、社員ドライバーである神谷裕幸と内藤章太に加え、Team midressメンバーの千葉翔太選手の3人体制で臨むことになった。クラスはもちろんYarisクラスで、#1ネッツ中部GRGミッドレススノコ制動屋Yarisを走らせる。
なお、ドライバー交代は通常のレース同様、ピットで行われるが、給油に関してはパドック内のガソリンスタンドで行われる。ピット滞在時間は7分以上とされているだけに、給油そのものは余裕を持ってできるが、多くの台数が集まってしまうと、待ちの時間が生じてしまう。
セーフティカー(SC)が導入された場合のピットストップは禁止されていないため、その間に給油するのはセオリーだと思われがちだが、同じことは誰もが考えるから、必ずしも有利になるとは限らない。また、1回の給油で可能なのはYarisクラスの場合、20ℓまで。スタートから65分、そして5時間50分経過後の給油は禁じられている。ラップタイムの単純な速さだけでなく、給油回数はできるだけ少なく、さらにタイミング良く給油できるかも勝敗を左右する重要な要素ともなる。

無難な走行でも予定外のポールポジション獲得!

6時間耐久ではあるものの、“1デイイベント”のため、公式車検は早朝5時50分から、予選も7時50分からと、超早起きを強いられるハードスケジュールも、このレースの特徴だ。予選の計測時間は20分だが、その中で車種によって2グループに分けられ、Yarisクラスが属する「グループ2」が走れるのは前半の実質12分のみ。ただし、走行義務があるのはAドライバーだけなので、その間はずっと走り続けられる。
とはいえ車検後に、満タンにしたフューエルリッドが封印されるため、予選を全開で、しかも長く走り続けていては、その分ガソリンを消費してしまう。あえて神谷は計測走行を1周にとどめ、しかも燃費走行に徹してなお、2分29秒187をマークしたことで、Yarisクラスのポールポジションと賞金1万円を獲得した。前日の雨が路面に残っていたとはいえ、先月行われたグランドファイナルで、神谷は2分14秒437を記録していることからも、いかに抑えて走っていたかが分かる。


神谷裕幸
「まぁ、1周だけで終わらせたかったので、無難に行きました。ただ走ったという感じで、路面がすごく微妙でしたね。とりあえず決勝の序盤は、タイヤの発動を見ながら、ペース上げていこうと思っています。予選2番手がGTドライバーの平中克幸選手なので、引き離していきたい(笑)。どういう路面になるか分からないですけど、長いレースなので様子を見ながら頑張ります」

雨さえ降らなければ! セーフティカーさえ入らなければ!

予選から、2時間と経たないうちに決勝レースのスタート進行が開始。まだ10時前ではあるが、それでも太陽がずいぶん上がり、路面はほぼドライコンディションとなっていた。#1ネッツ中部GRGミッドレススノコ制動屋Yarisのスタートを担当するのは神谷。Yarisクラスが属するグリープ2のポールポジションに並ぶ様子が誇らしげだ。
耐久レースのためローリングスタートで開始。神谷が予想したとおり、いきなりZONA Racing208 Yarisの平中選手との対決となり、先行を許すも6周目にはトップを奪還。そのまま次第にリードを広げていく。スタートドライバーに許された連続乗車時間は60分までとなっているため、残りあと1分と迫る24周目にピットイン。次の内藤に交代する直前で、2位との差は10秒以上に広がっていた。

給油を伴わないピットストップには、滞在時間の規定はないため、内藤はトップのままコースに復帰。そして1時間25分経過した35周目に2回目のピットストップ、そして最初の給油を行なって3番手の千葉選手をコースに送り出す。7分のピット滞在の間に大きく順位を落とすも、ライバルも同様に給油のたびロスを抱えるから、千葉選手も徐々に順位を挽回し56周目には2番手に。そして2時間37分経過後の63周目に3回目のピットストップを行って、再び神谷に交代してコースイン。
この頃には、すでにNETZ富山Racing Yarisだけがターゲットになっており、追いかけることしばし。77周目には神谷が抜き去って、事実上のトップに躍り出る。実際のトップに返り咲いたのは83周目。この時点で2番手には6秒の差をつけていた。そのまま神谷は差を広げ続け、4時間7分経過した97周目に4回目のピットストップを実施。ここで千葉選手と交代し、10分早くピットに入っていたNETZ富山Racing Yarisの前でコースに戻る。

やや差は詰められたとはいえ、千葉選手はトップを守り続けたが、その間にそれまでも時折コースを濡らしていた雨が本格的に降り始める。そこで間もなく残り1時間を切ろうというタイミングの、117周目に神谷を三たび投入する。雨はどんどん強くなっていく中、最大の誤算となったのは、トップを争うNETZ富山Racing Yarisは全体的にペースが鈍ったタイミングで、最後のピットストップを行っていたこと。これでトップを奪われたばかりか、神谷は4番手となっていた。
だが、ここからが神谷の真骨頂。125周目に1台、128周目にはもう1台抜いて、2番手に浮上し、その時点でトップとの差は20秒強ではあったが、ゴールまで残り30分あれば、きっと逆転可能だと思われた。ところが、その2周後にSCが導入されてしまう不運! 300R付近で停止した車両があったのが原因だ。これでトップとの差は5秒ほどとなったが、間には3台の周回遅れが。雨足は次第に勢いを増しており、SC先導のままチェッカーが振られるかもしれない。もしレースが再開されても、間に挟んだ周回遅れのリスタートが遅れれば……。
残り8分というところでSCの先導は終了するも、案の定。リスタートからの1周で周回遅れはすべて抜いてきた神谷だったが、トップには届かず。6時間で138周を走破したが、#1ネッツ中部GRGミッドレススノコ制動屋Yarisは、わずか5秒3差での2位となった。



神谷裕幸のコメント

「優勝チームは雨が降ってきてから、うちより後にピットに入ったので、そこでこっちがペースない時にギャップ作られたんでしょう、たぶん。それでも、こっちの方がペースは良かったので、あと20数分あれば行けるかな、と思っていたところでSC入っちゃったから、『ああ、きついなぁ』と。SCさえ入らなかったらなぁ…。ちょっと悔しいです。リベンジしたいですね!」

内藤章太のコメント

「SCと雨がなければと思いますが、それもレースですからね。神谷さんと千葉くんには頭が上がらないです。ボクもできることはやりましたけど、短いスティントだったので、そこはやっぱりふたりに負担が大きくかけたことは、非常に申し訳なく思います。来年はより強いドライバーになって、『スプリントだけじゃなく、耐久もお前に任せる!』って言ってもらえるようなドライバーになれるように頑張ります」

千葉翔太選手のコメント

「2回目のスティントは、めちゃくちゃきつかったです。ミラー越しにNETZ富山さんのクルマが見えていたので、なんとか逃げたいと思って必死に頑張っていました。途中で雨が降り始めてきて、路面に自分自身が対応できなくて、ちょっとタイムを落としてきたところが心残りかな、というところもありました。今回は天候に左右されて、仕方なかったですね」

GOOD YEAR Dream Cup 2023 RESULT

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Rd9
      

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