RACE
REPORT2018
- Yaris Cup
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- 86/BRZ Race
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- Rd1 鈴鹿サーキット(併催:スーパー耐久)3/31(土)•4/1(日)
- Rd2 スポーツランドSUGO(併催:スーパー耐久)4/28(土)•29(日)
- Rd3 オートポリス(併催:ゴールドカップ)5/27(日)
- Rd4 岡山国際サーキット (併催:OKAYAMAチャレンジカップ)6/23(土)•24(日)
- Rd5 富士スピードウェイ(併催:ザ・ワンメイクレース祭り SUMMER)7/21(土)•22(日)
- Rd6 十勝スピードウェイ(併催:北海道クラブマンカップ)8/19(日)
- Rd7 十勝スピードウェイ(併催:北海道クラブマンカップ)8/19(日)
- Rd8 ツインリンクもてぎ(併催:スーパー耐久)9/22(土)•23(日)
- Rd9 鈴鹿サーキット(併催:スーパーフォーミュラ)10/27(土)•28(日)
- Vit Race
DREAM CUP 富士スピードウェイ
王座奪還を狙った138号車は惜しくも2位
CVT初投入の238号車はクラス2位完走
GOODYEAR Vitz&86/BRZ Dream Cup 2018
6 Hours Endurance Race at Fujispeedway
予選12月16日(日) 天候/曇り 路面/ドライ
決勝12月16日(日) 天候/曇り&雨 路面/ドライ&ウェット
モータースポーツはすっかりシーズンオフという12月16日(日)に、1年を締めくくるドリームカップが富士スピードウェイで開催された。
年末恒例となったこのレース、ナンバー付きワンメイクレースである86/BRZ&ヴィッツが混走で戦う耐久レースで、燃料の補給に制限がある中で6時間の長丁場を競う。給油する場合にはピットインからコースインまでのピットタイムが6分以上と決められていて、およそ3周分ものタイムロスをする。また1回の給油量が20リットル以下に制限されるため、ピットインのタイミングや燃費も勝敗を分ける要素となる。
王座奪還へ万全の態勢で臨む
ミッドレスは、このドリームカップのヴィッツクラスで2013年から4年連続で優勝しており、優勝候補の筆頭に挙げられる。ライバルチームからの注目度も高い。ただし昨年はチーム体制が変更されたこともあって8位に終わった。今年は再び必勝体制で望むことになった。
王座奪還を狙うのは#138N中部GRGミッドレスVitz神谷裕幸/堀内秀也組。ミッドレスのエースと、今シーズンのヴィッツ関西シリーズでランキング7位の実力派というコンビだ。そしてもう1台、CVTクラスに#238N中部ミッドレスCVTVitz内藤章太/高田和信/水野洋平/浅井邦好組がエントリー。
さらにチームミッドレスでエントリーするマシンが、#81ノブレッセAGS新興Vitz林和範/窪田一郎/尾古貴浩道/石野由夏組、#312いなふぉと号ミッドレスヴィッツ今井恵二/稲垣之浩/稲垣稀美子/桂涼組という2台。総勢4台でミッドレスはドリームカップに望むことになった。
予期せぬ不運に見舞われ、勝利に黄色信号
予選、このレース最初のトラブルがミッドレスを襲うことになった。他車のクラッシュが発生して予選が赤旗中断。この時点でタイムを出していたはずの#138神谷裕幸選手だったが、タイムが記録されていなかった。それをチームが把握したのは再開された予選が終了する直前。慌てて予選に向かった神谷裕幸選手だったが間に合わず、結局ノータイムとなってしまった。レース本戦に参加できることにはなったが、スタート位置は最後列31番手から挽回することになった。
#238はCVTクラス2位でヴィッツクラス全体の25番手、#312は16番手、#81は17番手からのスタートとなった。
決勝は優勝を狙う#138は神谷選手がスタートを担当。チーム戦略としては、燃費もタイムも狙えるエースドライバーの神谷選手が長く走るという展開。
最後列からスタートしたものの、2分17秒台という予選タイム並みのハイペースで追い上げを開始する。オープニングラップで5台オーバーテイクすると、毎周のように順位を上げていく。22周目に7番手にまで順位を上げ、堀内選手へドライバー交代。堀内選手もそのペースを受け継ぎ、4番手まで順位を上げてみせた。
ピット作業とドライバー交代が耐久レースの醍醐味
34周目、燃料補給&神谷選手へドライバー交代。6分のピットインを経て21番手でコースに復帰する。燃料補給のタイミングによって、コース上での順位が変わるのも耐久レースの見どころだ。
神谷選手は45周目で11番手、55周目に2番手へとポジションを上げ、56周目にはついに待望のトップへと躍り出る。しかし59周目、最終コーナーで痛恨のスピン。コース復帰でタイムロスしてしまい3番手に順位を落とす。
そして70周目に堀内選手へとドライバーチェンジ。燃料補給とともにタイヤ4本をすべて交換、さらにペースを上げて追撃を強める作戦だ。6番手でコース復帰するも、順調に順位を戻す。
82周目に再び燃料補給+ドライバーチェンジ。タイヤはフロントだけ交換する。この連続の給油によって、おそらくこの時点で#138の燃料タンクは満タンに近かったことだろう。神谷選手は10番手でコース復帰。92周目に6番手、97周目に3番手にまでポジションを上げた。
順調に追い上げ、トップの座が見えてきたが
101周目、神谷選手は予定外のピットインを行う。100Rコーナーでクラッシュしたマシンを回収するため、セーフティカーが導入された。レギュレーションに従って86クラスの先頭のマシンの前に入ったのだが、それはヴィッツクラスでみると、トップ争いの2台と#138の間に入ってしまった。その結果、トップの2台は追い上げて車列の後ろに付くことが可能になり、セーフティカーが終了した時に#138は彼らよりも1周少なくなる。そのハンデを打ち消すために緊急ピットインを行ったのだ。
大誤算! 痛恨のペナルティで大きなタイムロス
燃料補給+ドライバーチェンジ+タイヤ4本交換というフルサービスを受け、堀内選手がコースイン。しかし緊急ピットインだったこともあってか、ピットインの時間が3秒不足との裁定。それによって3秒のペナルティ・ピットストップとなってしまった。完全停止するのは3秒でしかないが、最高速度のストレートの代わりに60km/h制限のピットロードを走るので、ロスタイムは40秒以上にもなる。
9番手でコースに復帰し、途中ペナルティ・ピットストップを消化しながらも、堀内選手は懸命にプッシュする。107周目7番手、113周目に6番手、114周目に5番手、116周目に4番手、118周目に3番手と、まるで神谷選手が乗り移ったのかと思うほどの走りを見せる。そして120周目、再びトップに立った。
ライバルと燃費と戦いは残り2周まで続く
残り時間は約50分。#138が優勝するためには、そのまま最後まで走りきるしかない。だが燃料は計算上ギリギリで、最後まで持つかどうか。予断を許さない。そこへ燃料残量に余裕のあるライバル#887が迫ってくる。ファステストラップを更新しながら急速に差を詰める。
そして残り2周という142周目、#138はついにトップを奪われてしまう。すでにガス欠症状が出てきており、堀内選手がポジションを守ることはできなかった。最終的に2位でチェッカーフラッグを受けた。
CVTクラスで戦った#238内藤/高田/水野/浅井組は、大きなトラブルもなく順調にレースを戦った。その結果、CVTクラスで2位となり、ミッドレスのマシンがともに2位表彰台に立った。
またミッドレスがメンテナンスを担った#312今井/稲垣(之)/稲垣(稀)/桂組は14位、#81林/窪田/尾古道/石野組は19位と、全車が完走を果たした。
#312今井恵二/稲垣之浩/稲垣稀美子/桂涼組「いなふぉと号ミッドレスヴィッツ」予選27番手・決勝14位、#81林和範/窪田一郎/尾古貴浩道/石野由夏組「ノブレッセAGS新興Vitz」予選28番手・決勝19位と、全車が6時間を走り切った。
Team midress fighters
#138神谷裕幸選手のコメント
今回のドリームカップは、いろいろありましたね(笑)。予選はノータイムだったし、トップに立ったのにスピンしてしまって。そしてセーフティカーの入った場所が悪くて、結局優勝を逃してしまいました。残念です。でも、これだけいろいろあっても僅差の2位ですから、普通にレースを戦っていれば余裕で優勝できたと思います。来年は絶対に(王座を)取り戻します!
#238浅井邦好選手のコメント
雨もあったり、予選で赤旗が出たり、いろいろと大変でしたね。4人ともレース経験ゼロでしたが、表彰台に上がれたのはCVTが3台だけだったということでしょうか(笑)。今後ヴィッツレースでもCVTはどんどん増えていくと思いますし、ミッドレスとしてもデータやノウハウを手にして、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。