RACE
REPORT2021
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Rd2 富士スピードウェイ
最終ラップに発生したドラマ
神谷裕幸が劇的な2年ぶりの優勝飾る
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2021第2戦 富士スピードウェイ
クラブマンシリーズEXPERTクラス 4.563km×10Laps
予選 5月8日(土)天候/晴れ 路面/ドライ
決勝 5月9日(日)天候/晴れ 路面/ドライ
2年ぶりの富士大会に激戦の予感
8大会・全11戦で争われる、86/BRZ RaceのクラブマンシリーズEXPERTクラスに、今年もチームミッドレスは、#38神谷裕幸を擁して挑むこととなった。シリーズ第2大会の舞台は、富士スピードウェイ。昨年はコロナ禍によってスケジュールが大幅に改められ、富士でのレースは開催されなかったため、誰にとっても2年ぶりの戦いになる。
すでに行われた、ツインリンクもてぎでの第1大会で、#38神谷はポールポジションを獲得。決勝はあいにくの雨模様となり、しかも序盤からミッショントラブルに見舞われ、思うようにペースを上げられなくなったばかりか、最後はギヤがスティックし、22位という結果に終わった。相変わらず冴えた速さを予選で見せていただけに、悔やまれる一戦となったが、いつまでも引きずっているようなドライバーではない。きっと、この富士で巻き返してくれるはずだ。
コンディション変化で
本領完全発揮とはならなかった予選
このレースウィークは木曜日から練習を開始し、順調に周回を重ねていた#38神谷。しかし、その最終確認となる金曜日の専有走行は、あいにくの雨模様となってしまい、2分15秒005を出すに留まり、4番手に甘んじていた。
土曜日になると天気は一転し、サーキット上空には青空が広がるように。ただし、温度が著しく上昇し、なおかつ雨でコースが濡らされたことで、路面コンディションにも変化が生じてしまう。計測開始と同時にコースインし、早々にアタックを開始した#38神谷は、2分6秒007をマークして4番手につけ、次の周にはピットに戻る。
本来ならば、これで走行終了なのだが、もう少し伸び代がありそうと判断した#38神谷は、セッティングを改めて再度アタックを試みるも、GRスープラコーナーでミスがあったため、そのままピットに戻って予選を終えることになった。
「路面温度が上がりそうだったので、早めに行くべきだと。ただ、前走車に引っかからないクリアラップにはなったんですけど、別に誰かのスリップ着くわけじゃなく、ポジションだけ作って行ったんですけど、思ったよりもグリップ感がなくて、路面はサラサラしていて。昨日の雨の影響かもしれませんね。上位3台のタイムは、このコンディションでは厳しい。決勝になれば、また状況も変わるでしょう。
もう1回行ったのは、3番手との差がほんの少しだったので、もしかしたらと思って…。クルマをチェックして、減衰変えて出ていったんですけど、GRスープラコーナーでちょっとはみ出ちゃったのでやめました。まぁ、明日です、明日。本番は!」(神谷)
激戦を冷静に対処し2位でゴール
トップのペナルティで優勝!
日曜日の富士スピードウェイは、夏日の予報。決勝レースを目前に控え、すでに気温は20℃、路面温度は35℃にまで達していたから、タフなレースになるのは間違いなかった。しかし、そういう展開こそ“手練れ”の#38神谷が、最も得意とするところ。実際、スタートで1台をかわして3番手に浮上、そして1周目を終えたところで早くも後続を引き離し、前を行く2台とのトップグループを形成する。
だが、序盤こそ2分6秒台での攻防が続いたものの、トップが守りに入ったことから、ペースが2分7秒台に落ち、終盤には2分8秒台となってしまう。そのため、#38神谷の背後には2台が迫ってくる。最終ラップの1コーナーでアウトから並ばれるも、しっかりインをキープして逆転を許さず。
そして、勝負あり……と思われた最後の最終コーナーで、ドラマが発生する。2番手の車両がインからトップに迫って、押し出す格好となってしまったのだ。これで#38神谷は2番手に躍り出て、そのままチェッカーを受けた。が、ドラマはこれに留まらず。暫定表彰式が行なわれている最中に、タイミングモニターにトップに対し、何らかのペナルティが下されることが表示されたのだ。
とりあえず2位で表彰台を降壇した#38神谷だったが、小さな声で「やったぁ」と。かくしてペナルティは予想以上に大きく30秒加算となったことで、正式結果では#38神谷の優勝が決定! 2019年の第4戦・オートポリス以来となる、2年ぶりの勝利を飾ることとなった。
次回のレース、シリーズ第3大会はオートポリスで6月13日に開催される。この勢いを保ったまま、験のいいサーキットで引き続きの快進撃を期待したい。
神谷裕幸選手のコメント
「序盤、ちょっと様子見ながら、昨日とのコンディションの差も分からなかったので、タイヤを温存しつつ、軽くプレッシャーかけつつ行って、後半勝負かなと思っていたので、『最後やっぱりあったな!』って感じでした。前回はリタイアして、ポールの1ポイントしか獲っていないので、シーズン2戦目まだ先があるのでコツコツ、ポイントを重ねていこうと思っています」(#38神谷)
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2021 Rd.2 FSW
Team midress fighters
【EXPERTクラス】
#38 神谷裕幸選手「N中部GRGミッドレススノコ86」予選4位 決勝レース優勝
【OPENクラス】
#52 牧智晴選手「NUTEC☆N中部GRGミッドレス86」予選29位 決勝レース29位
#95佐々木敬規選手「ミッドレス86ライトニング」予選32位 決勝レース22位
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