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REPORT2021
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Rd4 鈴鹿サーキット
神谷裕幸が2位入賞、内藤章太が自己最高の7位入賞
西日本シリーズの最終レースをダブル入賞で締めくくる
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup2021西日本シリーズ第4戦
鈴鹿サーキット 5.807m×8Laps
予選 11月28日(日)天候/晴れ 路面/ドライ
決勝 11月28日(日)天候/晴れ 路面/ドライ
コロナ禍の影響で延期された西日本シリーズ第4戦
9月11〜12日に開催予定だった鈴鹿サーキットでの西日本シリーズ第4戦が新型コロナウイルスの影響により延期され、実質的な最終戦として11月28日に開催された。10月16日の岡山国際サーキッドでの第5戦ですでにシリーズチャンピオンは決定したが、チームミッドレスの社員ドライバーである#38神谷裕幸は、シリーズ2位をキープするのに大事な1戦である。これまでの4戦ですべて表彰台に上がっているものの、Yaris Cup初年度の今シーズンは残念ながらまだ優勝がない。また、成長著しい社員ドライバー#138内藤章太には入賞の期待がかかる。ホームコースといえる鈴鹿サーキットでどんな戦いぶりをみせてくれるのか?
48台の予選で神谷は3番、内藤は11番グリッドを獲得
日曜日のワンデーレースとなった第5戦。48台のマシンは、予選でA組23台、B組25台に分けられた。チームミッドレスの#38神谷と#138内藤は、2台ともA組で出走する。8時30分から20分間のA組予選から始まり、#38神谷はポイント上位の2台とともに早めにコースイン。それに#138内藤も続く。じつは、Yarisは昨年までのVitzよりもスリップストリームが効きやすいという空力特性があるからだ。ライバル同士ではあるものの互いに協力し合って、スリップストリームを使い空気抵抗を減らして大幅なタイムアップを狙おうという作戦だ。アタック1周目で#38神谷は2分43秒570をマークして2番手に。#138内藤も2分44秒174で4番手のタイム。アタックを終えた#38神谷は、連続アタックを行わずピットに戻ってきてライバルの動向を見ながら待機する。一方、#138内藤はそのままアタックを続けるもタイム更新ならず6番手に落ち着く。残り時間が少なくなったところで#38神谷が再びコースインするが、バックストレートから130Rを回ったところで遅いマシンに引っ掛かり、そこでタイムアタックを中止しピットに戻ってきた。B組の予選結果と合わせて、#38神谷は3番グリッド、#138内藤は11番グリッドから決勝スタートすることになった。
#38神谷 「予選はシミュレーション通りのタイムだったんですけど、Yarisになってから、すごくスリップストリームが効くんですよ。今までのVitzとか86とか、ボク、鈴鹿でスリップを取りに行ったことがないんですが、今回はスリップにつかないと勝負権がないなと。昨日の公式練習もA組のトップスリーの#438森口優樹選手、#99大島和也選手と話をしていて、データを交換しながらその2人とやっていたんですけど。結局、ポールの#438森口選手が2台のスリップを使って想定を上回るタイムを出してきましたね。あの位置にいないと、あのタイムは出ません。2台スリップは全然違いますね。正直、単独でアタックしても2分43秒2というタイムは見えないですが、再度コースに出たのはひとつ試したいことがあったからです。セクター2まではよかったんですけど、セクター3で遅いクルマに追いついちゃったんで、アタックをやめてピットに入りました。決勝に向けて、それが試せたのはよかったです」
#138内藤 「じつは、眼鏡をかけるようになったんです。それがめっちゃ効きました。正直、テストのときに全然乗れていなくて、もう、神谷さんの2秒落ちくらいでしたから。44秒台なんて今日が初めてで、自分でもびっくりです。練習では出ていないですよ、あんなタイム。昨日の自分より1秒速いですから。『ありえない!』と思いました。いつもなら置いていかれるんですけど、今日は前の3台が走って行くのがずっと見えていました。自分の悪い癖が色々あってそれを意識して走ったら、『ついていけるんだ』って。そこで答え合わせが出来ました。決勝も落ちついて焦らずに自分の走りをして、その結果がどうであれ、次に活かせることをやりたいなと思います」
#38神谷は4番手にドロップするもさすがの追い上げ
ポジションを4つ上げ7位入賞の#138内藤
48台のYarisがグリッドについた決勝は8周の争い。シグナルのオールレッドが消灯しスタート。3番グリッドの#38神谷はまずまずの出だしだったが、4番グリッドの#43迫田善貴選手の反応が良く1コーナーでイン側から前に出られてしまい4番手に。ところが、中団グループでアクシデントがあり1コーナー入口のアウト側にコースアウトして転倒するマシンが出た。すぐにセーフティカー(SC)が出動し、クラッシュ車両の処理のためにSCランが3周目まで続いた。4周目に再スタートが切られると#38神谷は2コーナーで#43迫田選手をパスして3番手に復帰。そして、5周目のホームストレート終わりで2番手を争う3台がスリーワイドになり、#38神谷はアウト側からかわして2番手に浮上。その後も追撃の手を緩めず、5周目終わりに1秒502あったトップとの差は7周目で0.578秒、8周目で0.205秒差と詰め寄る。最終ラップもS字から後方にピタリとつけて隙をうかがうが、残念ながら追撃は実らず2位のままチェッカーを受けた。これで#38神谷は優勝こそなかったものの5戦全戦で表彰台に立ち、シリーズ2位を守ることとなった。
一方、11番グリッドからスタートした#138内藤は、スタート直後の1コーナーでひとつポジションを上げて10番手に。SCラン明けのリスタートも落ち着いてこなし、前の集団に食らいついていくが、抜き返されて11番手に順位を戻す。コースアウトやドライブスルーペナルティを受けて戦列から脱落していくマシンが出て9番手に再浮上。さらに、7周目にすぐ前を走っていた2台がヘアピンで絡みスピンすると、#138内藤はその横をすり抜けて7番手に。そのまま最終ラップを走り切り、昨年までのVitzを含めて自己最高位の7位でゴールすることが出来た。
神谷裕幸選手のコメント
「スタートがイマイチでした。#43迫田選手に前に行かれて、そのまま後続に飲まれかけたけれど持ちこたえました。そうしたらセーフティカー(SC)が出て。クラッシュ状況を見て『SCランは2周か3周くらいかな』と思ってSC解除の1周手前からタイヤを温めに行ってすぐについていけるようにしていました。前がやりあってくれればチャンスがあるなと。5周目に1コーナーが3ワイドになって、『どうしようかな。ここは行こう』とアウト側からまくって前に出られました。後ろは気にしなかったです。トップの#438森口選手に追いつきましたが、残り周回数が少ないのもわかっていました。仕掛けどころがなかなかなくて、130R手前で#438森口選手に追いつき過ぎて130Rを抜けてから詰められるような状況ではなかったですね。次のラップでわざとスプーンを遅くして、うまくタイミングを合わせようと間合いを取ると、後が結構迫ってきました。チャンスをうかがい後続も見てという感じですね。トップは結構フラフラでした。ブレーキもだいぶきつそうだったし。もうちょっと周回数がほしかったなという感じですね。もし、SCなければ全体的な展開も変わってきただろうと思います。でもクリーンなレースでした。次は日本一決定戦なので頑張ります。」(#38神谷)
内藤章太選手のコメント
「S字で前の2台がやりあっていて、そこの後ろをうまく突けるかなと思ったら、歴戦のドライバーはうまいので簡単にいかせてくれないですね。前がどんどん脱落していっちゃって。7周目には前の2台がやりあっていたので、だんだんと距離が縮まってきて『しめしめ、これは参加できるかもしれないなぁ』と思っていたら2台がヘアピンで接触してスピン。真後ろにいたボクも危なかったんですけど、なんとかギリギリ回避できて。一歩引いていてよかったなと。そのまま7位でチッカーです。今回は生き残った人が順位をもらえるみたいなレースになっていたので、7位はうれしいはうれしいですが、正直、自分の実力でポジションアップした順位ではないですから。結果は喜ぶとしても、自分で抜いてしっかりとポジションを上げられるレースができるようにしないといけないと思いました。でも、無傷で戻ってこられたのがよかった。グランドファイナルに出られなくなっちゃうので。今回のレースは、ひと皮むけた感じです。やっと先頭集団に絡めるようになったかなと」(#138内藤)
Team midress fighters
#38 神谷裕幸選手「N中部GRGミッドレスYaris」予選3位 決勝レース2位
#138 内藤章太選手「N中部GRGミッドレスYaris」予選11位 決勝レース7位
#52 牧 智晴選手「NUTEC☆GRGミッドレスYaris」予選27位 決勝レース19位
#111 千葉翔太選手「ミッドレスYaris」予選10位 決勝レース24位
#191 水野泰昌選手「N中部ミッドレスCJR Yaris」予選31位 決勝レース26位
#48 荒川美恵子選手「いなふぉとツジホルモンヤリスCVT」予選33位(CVTクラス1位) 決勝レース27位(CVTクラス1位)
#131 川瀬武男選手「GRGミッドレス・FlANZ・Yaris」予選34位 決勝レース31位
#312 稲垣之浩選手「いなふぉと号GRGミッドレスYaris」予選40位 決勝レース37位
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2021西日本シリーズRd.4 鈴鹿 RESULT
midress gallery
チームミッドレスの#48「いなふぉとツジホルモンヤリスCVT」荒川美恵子選手は、予選33位・CVTクラス1位を獲得。決勝レースでは27位でゴールしCVTクラス優勝。Yaris Cup西日本シリーズ・CVTクラスのチャンピオンを獲得した。