RACE
REPORT2019
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Rd2 富士スピードウェイ
苦しい環境でも確実にポイントを獲得
2017年チャンピオンの意地を見せる
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019 第2戦 富士スピードウェイ
クラブマンシリーズ・エキスパートクラス 4.563km×10Laps 2ヒート
予選4月20日(土) 天候/曇り 路面/ドライ
決勝4月21日(日) 天候/曇り 路面/ドライ
期待の新車投入が思わぬ方向に…
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ 2019 第2戦は、4月20日(土)から21日(日)、毎シーズン最も多くのエントリー台数を集める静岡県・富士スピードウェイで開催された。#38神谷裕幸選手が参戦するクラブマンシリーズ・エキスパートクラスには38台が集まった。#305水野大選手や#610大島和也選手、ルーキーの#56鶴賀義幸選手といった成長著しい若手に加え、チームが青森ゆえに西日本には参戦しない#130松井宏太選手、そしてニューマシンが間に合わず開幕戦に出場できなかった#84橋本洋平選手といった実績のある選手たちがエントリーリストに名を連ねた。神谷のライバルたちが出揃ったのである。
だが、ライバルたちと戦う前に、攻略しなければならない敵が出現した。ニューマシンに発生した初期トラブルである。
このレース、チーム・ミッドレスは神谷に新車を投入した。開幕戦のレースウィークに届き、従来通り戦えるマシンに仕上げてきたはずだった。しかし想定外のトラブルが発生。それを迅速にフォローするのがチームスタッフの役割のひとつだが、それでもレースウィーク、予選の前日に出てしまうと苦しい。そもそもトラブルの原因を判定するのに、時間が必要だった。念のため、開幕戦まで使用していたマシンを急遽FSWまで移動させた。
トップと0.079秒差の予選2番手獲得!
予選が行なわれる土曜日、ニューマシンを戦える状態へと改修したチームには疲労感が漂っていた。だが、それを吹き飛ばすのもエースドライバーの役割でもある。遅めにタイムアタックに向い、赤旗中断という不運に見舞われた「開幕戦を反省して」(神谷談)早めのタイミングでアタックに入った。2分05秒468を記録、ポールポジションには十分なタイムに思えた。
しかし、昨年までプロフェッショナルシリーズに参戦し、今シーズンからエキスパートクラスへと鞍替えした#29松沢隆弘選手が0.079秒上回る2分05秒389をマーク。#38神谷は惜しくも予選2位となったが、それでもチームにとっては疲れをいやすには十分だった。
セーフティカー導入で挽回の機会を逃す
今回初めて「1大会2ヒート制」が採用された。1セットのタイヤで予選、第1ヒート、第2ヒートまでを走らなければならない。ひとつのヒートはこれまでのレース周回数と同じなので、実際には2レース分を1セットのタイヤで走ることになる。タイヤを上手く使い、レース終盤まで持たせる技術が、ドライバーに求められる。
第1ヒート、スタートで#38神谷はポールポジションの#29松沢隆弘選手に並びかけた。が、アウト側から3番手スタートの#84橋本洋平選手が2人の前に出て、トップを奪う。さらに神谷はポジション取りが悪く、4位へとポジションを落としてしまう。しかも、その1コーナーで後続のマシンが多重クラッシュし、5周もの間セーフティカーが導入された。
再スタートが切られた6周目、前を走る#305水野大選手を見事にパスし、3位へ。だがそれ以上のポジションアップはできず、#84橋本洋平選手が1位、#29松沢隆弘選手が2位と、この第2戦が今シーズン初レースのドライバーを活躍させてしまった。
第2ヒートを3レース連続の3番手で終える
第1ヒート終了のおよそ5時間後。続く第2ヒートは、第1ヒートの順位でスタートする。しかし、何かがまだ完全ではない#38神谷は、3番グリッドからスタートするもオープニングラップの第1コーナーでアウト側に膨らみ、4位へとポジションを落としてしまう。前へ出た#305水野大選手は#29松沢隆弘選手を攻略し2位となった。そこからしばらくは膠着状態が続いたが、9周目、#38神谷とともに激しく3位争いをしていた#760岩本佳之選手が#29松沢隆弘選手と接触。ダメージの大きかった#29松沢隆弘選手は大幅にペースダウンとなる。
結局、第2ヒートも#84橋本洋平選手が優勝、2位は#305水野大選手、そして#38神谷は3位となった。開幕戦から、すべて3位というリザルトである。しかしニューマシン導入に伴うトラブルを乗り越え、手にすることができた大きな成果に違いない。
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019 第3戦は5月18日(土)~19日(日)、宮城県・スポーツランドSUGOで開催される。
神谷裕幸選手のコメント
「練習走行では、ある程度マシンのセッティングを煮詰めることができていたんです。多少のトラブルもあったんですが、新車なので大丈夫だろうと思っていたんです。それが金曜日の夜の段階で原因を何とか見つけることができ、予選まで対策することはできたんですが、結果としては開幕戦と同じ僅差の2位で…。あそこでポールポジションが取れていれば、レースは違ったものになったと思います。それでも第1ヒート、第2ヒートともに一度ポジションを落としてから、取り返すことができたので、レースとしては悪くなかったかなと思っています」
【決勝レース・2ヒート制について】
競技規定 第18条 決勝レース
2.決勝レースを2ヒート制で開催する場合の運用方法
① 公式予選結果を基に、第1ヒートのグリッドを決定する。
② 第1ヒートの結果を基に、第2ヒートのグリッドを決定する。
但し、グリッドは順位認定者にのみ付与される。順位認定されなかった場合は、結果表の順にピットスタートとする。
③ 最終結果は、第1ヒートおよび第2ヒートの周回数を合算し、同一周回の場合は第2ヒートの結果に基づき順位を決定する。
※2019 レギュレーションブックより
■POINT
1位 #305 水野 大 41
2位 #38 神谷裕幸 35
3位 #84 橋本洋平 30
4位 #760 岩本佳之 24
5位 #56 鶴賀義幸 19
6位 #703 花里祐弥 17
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019 Rd.2 FSW
Team midress fighters
【エキスパートクラス】
#38 神谷裕幸選手「N中部GRGミッドレスDL86」予選2位・決勝第1ヒート3位・第2ヒート3位
#338角谷昌紀選手「Masaki菱木レーシング86」予選11位・決勝第1ヒート30位・第2ヒート14位
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