RACE
REPORT2019
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Rd4 オートポリス
不運な予選9番手からスタートするも
第1ヒート・4位、第2ヒート2位に大躍進!
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019 第4戦 オートポリス
クラブマンシリーズ・エキスパートクラス 4.674km×10Laps 2ヒート
予選/決勝第1ヒート 6月15日(土) 天候/雨 路面/ウェット
決勝第2ヒート 6月16日(日) 天候/曇り 路面/セミウェット
金曜日までの練習走行で
トップタイムをほぼ独占
2019年シーズンも、ちょうど半分となる第4戦、TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceは大分・オートポリスで開催された。開幕戦・鈴鹿こそ2位表彰台を獲得したものの、第2戦富士では導入したニューマシンの珍しい初期不良に悩み、第3戦SUGOでは予選9位から追い上げたものの第2ヒートでクラッシュという結末となった。そんな、なかなか波に乗れない#38神谷裕幸選手だった。
「セッティングを大きく見直してみたんですよ。そうしたらタイヤの当たりも良くなって、タイムも出るようになったんです」。いつものように、少し照れたような表情で、だが嬉しそうに、神谷は自身の状況を説明してくれた。
その成果は明らかだった。レースウィーク、金曜日までの練習走行で、神谷はトップタイムをほぼ独占していた。マシンのメカニズムの部分については、SUGOで受けたクラッシュの補修作業と通常のメンテナンスだけで、進化した要素はなかった。全ては根本的に見直したマシンのセッティングによる効果だ。
路面が荒いオートポリスのコースでは、タイヤへの負担が極めて大きい。また、タイヤのグリップ力が逆に抵抗となってエンジンパワーを失ってしまう傾向も強い。決して強力とはいえない86のエンジンパワーを、できる限り前へ進む力へと変えるためには、タイヤの接地性は十分にチェックする必要があり、それが速さへと直結するのだ。
「タイムが出る」となると、ドライバーの士気も上がっていく。集中力が高まり、ミスも少なくなることだろう。相乗効果だ。「今、神谷は乗れているからね。だから心配していないですよ」チームの現場を取り仕切る菱木エンジニアは、明るくそう語ってくれた。第3戦までの38号車&神谷とは違うんだよ、と言いたげだった。
赤旗中断の影響で予選は9番手に
それでも第1ヒートで驚異の追い上げ
予選と第1ヒートが行われる土曜日、まだ大分は梅雨入りしていないのに、オートポリスは雨雲の中にあった。それは天気予報通りではあったが、冷たい雨がオートポリスの悪魔を目覚めさせてしまったような予選となった。
クラッシュによるマシン回収とコースサイドの整備、そしてマシントラブルによる停止車両の回収と、2度の赤旗中断があった。それが多くのドライバーのタイムアタックのタイミングを狂わせることになる。神谷は予選開始と同時にコースインし、すぐさまトップタイムを出してみせたが、雨は徐々に小降りになり、結局予選は残り4分で再開された。これは1周しかタイム計測ができない、文字通りの一発勝負だ。
その予選、結果として7位となってしまった。
雨の中、第1ヒートは幕を開けた。路面温度は低く、しかもウェットというコンディションは、ダンロップタイヤにとって不利な状況だ。それでも神谷は少しずつポジションを上げていく。曇りが予想されている翌日の第2ヒートのスターティンググリッドは第1ヒートの結果によるのだから、当然だ。
最終的には同じダンロップタイヤを装着する#610大島和也選手の前に出て、4位でフィニッシュした。予選同様、第1ヒートでもアクシデントは多発し、2度のセーフティカーが導入された。7周目に入った2度目のセーフティカーは、そのままチェッカーフラッグを受けることになった。
そこには幸運もあった。予選2位から、セーフティカー開けのタイミングでミスをし、順位を落としていた#56鶴賀義幸選手が1周2秒以上速いペースで追い上げ、神谷に迫ろうとしていた。しかしセーフティカーに助けられた形で、第2ヒートは4番グリッドを手にすることになった。
路面が乾き始めた第2ヒート
8周目にトップに追い付いたが…
翌日、日曜日の第2ヒート。天気予報は曇りだったが、実際には雨が続き、路面はウェットだった。しかしレースが始まるころには雨は止み、路面が乾いていくことは確実。それに対応するマネージメントが重要になる。
周回数が進み、路面が乾いていくとともに、ラップタイムはすべてのドライバーが上がっていったが、神谷はさらに大幅にタイムアップし、ポジションをひとつずつ上げていく。2位へと上がったのは少し周回数を費やし8周目だった。それから1位を走るライバル#84橋本洋平選手にアタックを始めていく。ペースは明らかに勝っている。
しかし、後方からは若手・大島和也選手が迫ってきていた。1位を狙いアタックに失敗すれば3位に落ちる可能性がある。そんな状況では闇雲にアタックするわけにもいかない。結局神谷は2位をキープする選択をし、そのままチェッカーフラッグを受けることになった。
神谷裕幸選手のコメント
「まず予選は赤旗が何度も出てしまって、厳しい結果になりました。それが大きかったですね。ウェットでは戦えないことが判っていたので、第1ヒートは第2ヒートのスタート順位を上げることを考えて走りました。第2ヒートは完全なドライではありませんでしたが、それでもペースが良くて2位まで上がったんですが、大島選手が後ろからガンガン来るので、橋本選手を攻略することはできませんでした。でも、今回のレースで速さを取り戻すことができたので、シーズン後半戦でしっかりと結果を残したいと思います」
■POINT
1位 #84 橋本洋平 78
2位 #305 水野 大 63.5
3位 #38 神谷裕幸 57
4位 #760 岩本佳之 41.5
5位 #56 鶴賀義幸 39
6位 #610 大島和也 36.5
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019 Rd.4 AP
Team midress fighters
【エキスパートクラス】
#38 神谷裕幸選手「N中部GRGミッドレスDL86」予選9位・決勝第1ヒート4位・第2ヒート2位
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