RACE
REPORT2019
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Rd6 十勝スピードウェイ
得意の十勝で予選2位、第1ヒート3位
第2ヒートは痛恨のスタートミスも6位まで挽回
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019 第6戦 十勝スピードウェイ
クラブマンシリーズ・エキスパートクラス 3.40587km×14Laps
予選/決勝第1ヒート 8月17日(土) 天候/晴れ 路面/ドライ
決勝第2ヒート 8月18日(日) 天候/晴れ 路面/ドライ
十勝はストップ・アンド・ゴーの連続
国内サーキットでも特異なレイアウト
北海道の夏は短い。海水浴ができるのは、7月下旬からお盆くらいまで。その短い夏の真っ只中、8月17日(土)~18日(日)の2日間、北海道・十勝スピードウェイでTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第6戦が開催された。
十勝スピードウェイは、北海道の地図でいえば右下、道東に位置している。近くの都市は帯広。一般的に北海道としてイメージしやすい、果てし無くまっすぐな道路や、白樺並木などの風景は、この道東のものだ。このサーキットのコースもまた特徴的で、高低差のないフラットなコースで、バンク角が極めて小さく、コース幅も狭い。つまりカートコースを拡大したかのようなコースになっている。
そうした他のサーキットとは違ったキャラクターである以上に、プロドライバーであっても走行機会が少ない。年に一度の十勝スピードウェイは、シンプルであるがゆえに、ドライバーの向き不向きがハッキリするコースなのかもしれない。
1周3.40587kmのコースを14周する、というのは過去のレースと同じ。そして今回も2ヒート制となっていて、予選+14周×2の長い距離を1セットのタイヤで走らなければならない。そのためタイヤマネージメントは、とても重要な要素になる。
大量得点が狙える2ヒート制
予選はタイヤを温存しながらも2番手獲得
シリーズも終盤となり、十勝を含めて残り3大会、チャンピオン争いもいよいよ正念場となってきた。シリーズランキングのトップを走るのは98ポイントの#84橋本洋平選手(BS)。2位の#305水野大選手(DL)は76.5ポイントで、21.5ポイントもの差がある。そして#38神谷裕幸選手(DL)は67ポイントで3位。4位の47ポイント、#56鶴賀義幸選手(BS)までが、事実上のチャンピオン争い圏内だろう。
2ヒート制なので、獲得可能なポイントは最大33。ライバルたちが0ポイントということは考えにくいが、それでも差を縮めるために大量得点が欲しい。逆に、今回差を拡げられることになると、チャンピオン獲得の可能性は急激にしぼんでしまう。
前戦富士でのクラッシュの影響を全く感じさせない、完璧なリペアが施された神谷のマシンは、北海道の夏の日差しを浴びて輝きながら、予選開始を待っていた。前日まで台風の影響による雨で、ウエットコンディションが続いていた。その雨の中、神谷はしっかりとセットアップを進め、納得できる状況にあった。
だが予選は快晴。路面温度も上がり、いろいろな要素に影響があった。それでも神谷は早めにアタックへと向い、その時点でトップタイムをマークする。タイヤに厳しいコースだけに、その1アタックだけでピットにマシンを戻し、タイヤを温存する。
しかし、ライバル水野選手が立ちふさがる。昨年初めてこのコースを走り、コースレコードでポールポジションを獲得した水野選手は、神谷を0秒229上回り、今回もポールポジションを奪取してみせたのだ。神谷は2位となったが、もうひとりのライバルである橋本選手が8位と沈んだのが、ラッキーではあった。
第2ヒートのスタートで14位まで転落
それでも8台を抜き返し6位まで挽回
ヒート1、スタートで水野選手の前に出て、トップに立つことが神谷の理想だったが、それは叶わなかった。しかも後方には、スタートダッシュで3位に上がってきた鶴賀選手が迫ってきた。そのため、水野選手に少しずつ離されてしまう展開に。
そして10周目の1コーナー、鶴賀選手にパスされ3位へ転落。そこから挽回する速さはなかった。「ちょっと内圧(タイヤの空気圧)が高かったみたいで…」と神谷は悔しそうだった。タイヤの空気圧が高めだと、レース後半に空気圧が高すぎてグリップが低くなる。逆にタイヤの空気圧が低めだと、レース前半に空気圧が不足してグリップが出ない。これには路面温度も関係してくるので、最適な空気圧の設定はとても重要なのだ。
翌日のヒート2。トップを独走し、最後はペースを落とす余裕まであった水野選手は、タイヤの磨耗も少なく、絶対的に有利な状況だった。それが影響したわけではないだろうが、神谷はスタートでギヤが入っておらず、なんと14位まで順位を落としてしまった。痛恨のミスである。
トップ争いは、そのスタートで鶴賀選手がトップに立ち、また橋本選手も6位から3位へとポジションを上げた。スタートで有利なブリヂストン勢が、順位を上げてきた。ただ速さで勝る水野選手は5周目にトップを取り戻し、少しずつ2位以下を引き離す。また2位となった鶴賀選手もまた、後続とは離れてほぼ単独走行へ。
神谷はそのトップグループと同等のタイムで追い上げを見せる。トップ10に戻って来ると、6周目には7位、10周目には6位までポジションを取り戻したが、それ以上は無理だった。
結果は、水野選手が優勝、2位鶴賀選手、3位橋本選手という表彰台となった。神谷は6位。つまりチャンピオン争いをしているメンバーの中で、このレースでの獲得ポイントは最も少ない。ランキングトップの橋本選手とは33ポイント差、2位水野選手と28.5ポイント差と、現実的にかなり苦しい展開になってしまった。
第7大会は栃木県・ツインリンクもてぎで、9月14日(土)~15日(日)に開催される。
神谷裕幸選手のコメント
「スタートの時にギヤを入れ忘れてしまいました。こんな凡ミスをしてしまったのは、初めてです。マシンのバランスは良くて、ペースも悪くはなかったと思います。それでも水野大選手とはラップタイムに差があるので、まだマシンに何か詰め切れていない部分があるんでしょうね。もう一度チェックしたいと思います。今シーズンも残り2戦になってしまいましたが、まだチャンピオンの可能性がゼロになったわけではないので、最後まで諦めずに戦おうと思います」
■POINT
1位 #84 橋本洋平 113
2位 #305 水野 大 108.5
3位 #38 神谷裕幸 80
4位 #56 鶴賀義幸 69.5
5位 #130 松井宏太 55
6位 #610 大島和也 49.5
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019 Rd.6 TOKACHI
Team midress fighters
【エキスパートクラス】
#38 神谷裕幸選手「N中部GRGミッドレスDL86」予選2位・決勝第1ヒート3位・第2ヒート6位
#52 牧 智晴選手「NUTECリミットN中部86」予選15位・決勝第1ヒート15位・第2ヒート14位
#48 荒川美恵子選手「もらいぼしK1アクト菱木R86」予選16位・決勝第1ヒート16位・第2ヒート16位
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